■ 4-20 ■ |
怒りにまかせ抵抗しようとしていた力が、何かを堪えるための別の力に変わったことを感じ取ると、シドは亮の両手を解放し、頬を撫で、頭を掻き抱きながら抱きしめる。 「んっ、ぁ、し……、ぅ」 それでも容赦なく施される口付けに、亮は呼吸すらままならず、自由になった両手で必死にシドの首にすがりつく。 何度も深く口づけをされ、亮の中に再び、シドの胸元に印を刻んだ時の熱に浮かされたような感覚が育ち始めていた。 濡れた音が何度も上がり、まだ行為そのものをしているわけでもないのに、亮は頭の芯が熱く痺れ何も考えられなくなっていく。 その間にもシドの右手は亮のシャツの中へ潜り込み、まだ触れられてもいないのにすっかり固く隆起したピンク色の胸の飾りを親指の腹で転がしていた。 「っ、ぅん……、」 口づけで声を塞がれたまま、ゆっくりと回される冷たい指先に、亮の全身がぞくりと竦み上がりシドの首にしがみついたまま快楽に震える。 亮が胸も弱いことをシドはよく心得ているようで、亮の声を敢えて己の唇で受けたまま、何度もゆったりとした刺激を与え続け、亮はそのシドの動き全てになんの抵抗もできないまま、ヒクンヒクンと快楽を感じていることを告げる反応を返すしかない。 「ぅ、……、っ、ん――、し、ぁ、」 ようやく唇を解放された亮はそのままバンザイの格好でシャツを脱がされ、ついに全ての衣服を取り払われてしまう。 乱暴に部屋の隅に放り投げたシャツを振り返ることもせず、シドは、ベッドの上に横たわる荒い呼吸の亮の胸元にすぐにかがみ込んでいく。 室内の気温はここにきて一気に下降し始める。 初夏だというのに汗ばむようだった熱帯夜に、この部屋だけはエアコンいらずだ。 窓は結露し白い曇りを帯びて、青い月の光をぼんやりと幻想的な間接照明に切り替えていく。 亮の冷えた肌に、不思議と熱いシドの舌が這わされると、亮は声を殺しながらその快感に耐える。 頭の隅に「ムカツクこいつの思う通りになってやるもんか」と声が響くが、その声さえもいつの間にか悲鳴にも似た甘い溜息に変わってしまう。 つんとした桃色の尖りを口に咥えられ、舌先を使い口中で弄ばれる。シドの硬質で整った顔からは考えられない卑猥な音が立てられ、亮は聴覚からも犯される。 「ふぁっ――」 シドの手がすっかり頭をもたげた亮の幼いものにかかり、くちゅくちゅと敢えて大きな音を立ててこすり上げられ始めた。 「だめ……だて、し――」 「何がだめなんだ?」 だが聞き返すその声はいつもと変わらず冷静で感情がない。 亮が上半身を泳がせるように起こし、シドの手を止めようと腕を伸ばす。だがシドはその手をもう片方の手でつかむと、そのまま顔をスライドさせ、亮の幼いものを深くくわえ込んでいた。 「だめ、だめだ、シドぉ――も、それ――、だめぇ――」 半泣きで亮がシドの頭にもう一方の手を伸ばせば、シドは視線で亮を捕らえたまま、片手で軽くその弱々しい抵抗をいなしてしまう。 残ったもう片方の手で、先ほどじんわりとほぐされていた亮の薄桃の窄まりへ、しなやかな長い指が突き入れられていく。 「っ!! ふあぁぁっ、ぁっ、――っ!!」 その瞬間。堪え性もなく、亮は甘いミルクをシドの口中へ勢いよく、恥ずかしいほど何度も放っていた。 ひくひくと身体を震わせ、絶望的な面持ちで亮はシドの身体に覆い被さるように、身体を折り曲げ倒れ込む。 涙を浮かべ荒い息でぐったりとした亮を、シドは口中の甘露を飲み下しながら抱え上げて自分の膝をまたがせるように座らせていた。 そうしながらも、朱い氷神は口の端に滴ったしずくを親指と人差し指で無造作にぬぐい、それを粗野な仕草で舐め取る。 「ダメだと言う割には随分多い――」 「な――、だ……から、ダメて――、言ったんだろ、バカ、シドぉ――っ」 恥ずかしさのあまり全身を桜色に染め恨みがましい目で見上げた亮の唇を、シドが再び機嫌でも取るように奪うと、未だ亮の味の残る口づけを深く施される。 「んっ、ぅ――、」 向かい合わせで座った格好で、シドの腕が亮を抱きかかえるように回され、右手が感触を楽しむように亮の滑らかな背中のラインを下っっていく。 そしてそのまま慣れた手つきで丸く吸い付くような亮の小さいヒップを撫で、すぐにその指先は先を急ぐように、亮の薄桃のつぼみの中に先端を潜り込ませていた。 先ほどからゆっくりとほぐされていたそこは難なくシドの長い指を飲み込んでいき、ぐちゅぐちゅと淫靡な音を響かせ始める。 しかし、ぐったりとした亮の手はそのシドの指先に抵抗する意志を見せないかのようにシドの肩に回され、されるがままシドの白い肌に必死に頬を寄せて押し寄せる快感に息を荒げるしかない。 「シド――、っ、オレ、と、すんの?」 不意に今さらの――、だがまっすぐな言葉がぽつりと亮の口をついてこぼれ落ちる。 一瞬、亮の肌を滑るシドの指先が停止する。 だが、すぐにもう片方の手も亮の胸で悪戯を始め、シドの両手は無言のまま亮を追い込んでいく。それでも亮の言葉は止まらなかった。 触れてはいけない部分に自ら触れようとしていると自分でもわかったが、どうしようもなかった。 胸の中に渦巻いているもの全てを、あまりの安堵感で吐き出してしまうしかなかった。 まるで自分の中の別の自分が勝手に言葉を紡いでいて、自分はそれを上から眺めているようでさえあった。 「ふぁっ――、ぁ、……、ォレ、前と、ちが、よ? ォレ、せ、ぶんすで、ぃぱい、男の人と汚いこと、し――」 「前とはいつのことだ。半年ほど前のセラでのことか? それとも一年前、おまえが死にたいとほざいた時か――」 亮がそろりと顔を上げた。 シドの琥珀の瞳が闇に浮かび上がり、亮の顔を捕らえていた。 だがいつもの鋭く凍てついた眼光ではない。 月の明かりのせいか、その色は亮の記憶にあるどの場面よりも柔らかく亮を見返している。 「半年前――の、セラ――て……、夢じゃ――」 「あの時も同じ位置に跡をつけてくれたな。こんな目立つところにつけるな、バカが」 夢、じゃなかった――。 あの日のあの出来事は、夢ではなかったのだ。 亮の全身から、余分に入っていた嫌な力が抜けていく。 「そんなこと――言ったって……、ォレ――」 「まぁおまえくらいの年齢は、こんなもんだ」 「――? どぉぃう、ことだよ」 シドの言っている意味が分からず首を傾げた亮に、シドが口の端を軽く引き上げ、意地悪な微笑を漏らす。 「ヤりたいさかりだと言ったんだ」 「っ、な――、なに、言ってん……」 真っ赤になって言い返そうとした亮の内部で、シドの指先が再びぐちゅりと動かされる。 「ぃぅっ――」 ひくんと身体を硬直させた亮の頬に、シドが顔を近づけ冷たいいつもの声音で囁いていた。 「高校生なんてのはヤることしか考えてないからな。しょうがない」 ひんやりとした吐息を耳元に感じ、身をすくませながら、亮は毎日違う女の子と遊び回っているらしいルームメイトの顔を思い出していた。確かにあいつは毎日ヤることしか考えていない感じがする。 だが相手はやっぱり女の子だ。 男であるシドとこんなことをしている自分はそれとは違うのではないか――。 そう考えが巡り始めた亮の思いを見越したように、シドが続けていた。 「ただし、おまえがサカる相手は俺だけにしろ。ソムニアとして未熟なおまえは力の加減もできないからな。ゲボだと知られればおまえが危ない」 「お、ォレは、サカってなんか、いなぃ……ん、ぁぅっ――」 すぐそばで自分を映す琥珀の眼光に、亮は必死に抗議の声を上げるが、己の内側で掻き回される冷たい指に、あっという間に言葉を奪われてしまう。 そうだ。自分はゲボなんだ。 高校生だから気持ちよくなりたくなっても普通だし、シドとこんなことをするのは、ゲボだから、しょうがないことなんだ――。 シドの言葉が魔法のように亮の呪縛を解き放っていく。 「ォレ、しょうがない――」 「そうだな。しょうがないな」 囁いたシドはそのまま亮の尖りきった胸の飾りをちゅっと吸い上げると、その周囲にも次々と花びらを散らす。 「ん……、あ、だめ、そこ、だめって――」 紅く色づいた乳首を舌先で転がされ、亮は涙目でシドを見下ろした。 その声にシドは顔を上げると軽くキスをし、今度はうがったままにしていた指を二本に増やし、ぐいと突き入れていた。 「ぃっ、ぁ、シド、そこ、汚いし、ダメ――」 涙声の亮にシドは、左腕で亮の身体を抱き寄せたまま、全ての動きを停止させる。 だが中でとどまったままのシドの指の感触に、亮は疼くような焦燥感が膨れあがり続けるのをどうしようもない。 快感の巣窟にシドの指を入れられたままお預け状態にされた亮は、自分でダメだと制止したにもかかわらず、次第に涙声のまま違う言葉を紡ぎ出していた。 「……、シド、だ、めだけど――、でも、ォレ、だめだけど、やっぱ、だめじゃないけど、、だめじゃなくないみたいな――」 「・・・。どっちなんだ、おまえは」 苦笑を浮かべつつ(表面上は無表情だが)、シドは再び亮のいい位置にゆっくりとこねるように指先を突き入れていく。 「ふぁっ――、あ、ん――、ォレ、こんな、の、しょうがないから――、」 「そうだな」 「ぁ、ォレ、コーコーセイ、だし、ォレ、ゲボだから――、シド、と、するの、も――」 「しょうがないな」 ぐいっと深く突き入れられる。 「しょ、が、な――、はぅ、ぁ、――、シドぉっ、ぁ、も、おれ、もぉ――」 再び放ちそうになる亮の内側からシドの指が抜き取られ、代わりに一度ふわりと身体が持ち上げられると、ゆっくりと下ろされていく。 シドの指先を追い求めるように蠢く亮の色づいた窄まりに、指などとは比べものにならない固く太い何かが埋め込まれていく。 「っ――!! っぅ、ん――」 GMDも飲んでいない。 死にたいと言ったあの時や、セラの時みたいに正気を失ってもいない。 今の亮は本当にいつもの亮だ。 その普段の自分の中にシドのものが入ってくる感触に、亮は溜まらない恥ずかしさと、溜まらない高揚感と、そして感じたことのない切なさで全身が沸騰しそうだった。 「し、ど、――、が、ォレ、なか、はいて……、くる……よぉ」 うっすら開いた瞳に映る視界はふるふると震えている。 自分が震えているのだと気づく前に、亮を見つめるシドの目が微かに細まり、一気に奥まで貫かれていた。 「ひぅっ!!」 重力に任せて落とされた亮の身体は最奥までシドの大きなそれをくわえ込まされ、その衝撃に反り返る。 すぐにシドの鍛え上げられた胸に亮は掻き抱かれ、甘い痛みと衝撃に身体の震えが収まるまで、数十秒。その間ずっとそのままの体勢で優しく髪だけ撫でられる。 「キツいときは言え」 そう言った言葉が合図だったかのように、シドは再び亮を抱え上げると、ゆっくりと動き始めていた。 極太の氷柱が亮の内部をめくり下げ、亮の充血した前立腺のあたりをこすり上げながら最も深い快楽の巣を突く。 「ぃぁっ、だ、め、っ、!!」 亮はひくりと身体を強張らせると、あっという間に幼い性器から、再び白い迸りをシドの腹筋へ放ってしまっていた。 しかしシドは動きを止めない。射精後の快感で収縮を繰り返す亮の腸壁の感触を楽しむように、次第に動きを早め、突き入れ続ける。 「ぅ、ぁ、っ、……、し、ぁ、」 脱力でぐったりとした亮の様子に負担をかけないようにそのままベッドへ押し倒すと、シドは亮の細くすべやかな足を抱え上げ、体勢を変えて腰を進める。 「ん、ふぁぁ、ぁ、し、そこぉ、も、らめぇっ」 まだ挿入してから数分も経っていない。 だが亮は甘い悲鳴を上げると、またしても制止の言葉を発する。 しかしそれが苦痛によるものでないことは明らかだった。 亮の幼いそれは再び愛らしく首をもたげ、シドと自分の腹にこすり上げられ嫌らしい雫を滴らせている。 亮とシドの結合部から上がる恥ずかしいほどの濡れた音に加え、亮の幼い屹立も耳を覆いたくなる淫音を奏でていた。 「なんでだめなんだ?」 息も絶え絶えにシドの背中に爪を立てる亮の耳元で、艶やかなバリトンが珍しく熱を帯びた声でそう聞いた。 だが亮はそんなシドの声の変化になど気づく余裕はない。 「だて、だって、また、ぉれ、っ、ちゃう――」 「もっとはっきり言わなければわからんぞ」 角度を変えてまた違う亮のポイントを、シドの熱い氷柱が突き上げる。 「ひぁっ!!」 亮が悲鳴を上げる。 「ぁ、だて、いちゃう、ぉれ、また、シドので、だめぇ、だよぉ!」 亮の譫言のような意見を聞き、シドは口元を弛めると、自分の腹の下で濡れそぼっている少年の屹立をぐっと握り込んでいた。 その衝撃に亮が「ぁぅっ」と声を上げ、悩ましげに眉をしかめる。 「な、に――、」 突然の苦痛にワケが分からずシドの顔を見上げれば、イザ・ヴェルミリオは亮以外他の誰もが知らない意地悪な微笑を漏らし、亮の顔を眺めている。 「いきたくないんだろう?」 シドの行動の意味を悟り、亮は怒りと羞恥で頬を真っ赤にし見つめ返すしかない。 「っ、」 握り込まれたまま、再びえぐられ始める。 「ぅあ、っ、やぁ、ん、」 突かれる度、全身を快楽が貫き走り、亮の下半身は熱く破裂しそうに脈打ち続ける。だが、どれだけ強烈な快感を与えられようと、行き着くところにたどり着けない。 「ぃ、ぁ、やぁっ、ばか、ばかし、ころす、さいあ、く、ぁ、ぁっ、ぁっ、うぐっ、」 気の狂いそうなもどかしさで亮は身をよじりシドの手をふりほどこうとするが、そんな抵抗が意味をなさないことはわかりきっている。 シドは余裕の表情で亮の攻撃をいなすと、焦らすように亮のいいところを突き上げ続ける。 次第に亮はいけない焦燥感で涙混じりの悲鳴を上げていた。 潤んだ瞳。 あえぐ唇から覗く小さな紅い舌。 情欲に桜色に染まるしなやかな身体。 全身から、先ほどまではなかったむせ返りそうな艶が立ち上る。 だがそれはゲボの力によるものではない。この艶は亮が本来持っている、成坂亮そのものなのだとシドには分かる。 シドは自分を制するようにゆっくりと息を吐いていた。 「……ぃ、きたい。」 不意に涙の浮かんだ瞳で睨み上げる亮の口から言葉が漏れた。 「ん?」 聞き取れなかったというように動きを止め、シドがかがみ込むと、亮は恥ずかしさでぷいっと横を向いてしまう。 だがシドは目を細め、それ以上は何も要求せず、握り込んでいた手を放していた。 同時に、拗ねた少年の顔を無理矢理正面に向けさせ、軽く口づける。それを合図に、シドは再び動き出していた。 「ぁ、っ、……、し、ぁ、ぃちゃう、ぁ、」 今度こそ亮は様々な抑制をはずされ、自ら腰を動かして快楽を追い求め始める。 シドにそんな自分の恥ずかしい叫びを聞かれている事実すら、亮の脳を痺れさせる媚薬となっていた。 シドも呼吸を上げ、強く、まるで無理矢理亮を犯してでもいるように激しく突き入れていく。 「ぃ、ぁ、っ、ひぁ、し、ぁ、ぁ、ぇぁあっ!!」 びくんと亮の身体が反り返り、何度も淡い飛沫がシドの胸元に叩き付けられた。 それと同時にシドの眉が微かにひそめられ、声を殺して亮の中に己の欲望を注ぎ込む。 どくどくと何度も発射されるそのシドの熱に、亮は身を震わせて必死にシドにしがみついていた。 「シドの、ォレなか、いぱいはいって、きた――」 放った恍惚の中で、深く考えもせず思わず単純な状況説明をしてしまった亮に、シドが目を細め眉を寄せる。 「もう次を誘ってるのか――」 「?」 意味が分からず見返した亮の丸い瞳に、シドはそろりと唇を落とすと目蓋に口づける。 そのひんやりとした心地よい感覚に安堵の息をつく亮の中で、再びシドが動き始めていた。 あれだけ放って未だ固さを失わないシドのそれは、容赦なく亮の中をこすり上げ始める。 「っ、な、も、だめ、ォレ、も、――」 「亮……、やっぱりおまえが悪い」 冷静な声でそう言ったシドのものは、凶悪なまでの質量で亮を貫く。 「ぃっ!!」 シドの指が亮の両方の胸をつまみ上げていた。 「うぁっ、ふ……」 その感覚に亮は思わず甘い声で身体を震わせる。 紅く色づき敏感になった尖りをくりくりとこねられれば、亮の視界に自分にそれを施しているシドの姿が映り、溜まらない淫靡な快楽が再度亮を飲み込んでいく。 「ォレ、いま、シドと……、せくす、してる――」 シドが一度緩やかな瞬きをし、下唇をそろりと舐めていた。 「サカりのついた高校生だ。しょうがない」 「しょが、ない――、ぁ、ぁ、ぁ、しょが、ないけど、ぉれ……、そこ、ん、しぃ、あっ、ぁぅ!」 片方胸を悪戯されたまま、シドが腰を回していた。 こんな風にされれば、亮はまともな言葉も出なくなってくる。 今まで何十人もの男に無理矢理身体を開かれた亮だが、それらとは何もかも全然違っていた。 胸の中が熱く柔らかなものに満たされ、側の人間に手を伸ばしてすがりつきたくなる。 何度も名前を呼んで欲しくなる。 何度も名前を呼びたくなる。 やってること、この状況、全てが顔から火が出そうなほど恥ずかしいのに、嫌じゃない。 恐くない。気持ち悪くない。 っていうか、気持いい――。 こんなの、知らないと亮は思った。 高校生はきっとこういうのが好きなんだと納得した。 「考え事をしている余裕があるのか。生意気に――」 気づけばシドが顔を上から落としてきて深く口づけられる。 頭の上にある枕を握りしめたまま、亮はまたしても快楽の氷海へと沈んでいった。 |